[読み] こんごうさった
[梵名] ヴァジュラサットヴァ
[梵名表記] vajrasattva
●梵名ヴァジュラ・サットヴァは、「金剛杵(堅固なる菩提心)をもつ衆生」の意。
●私たち(衆生)の本有菩提心を象徴する菩薩。
●金剛薩埵は、大日如来が諸尊のサトリの総体なのに対し、私たち(衆生)の妄執の総体でありながら、本有菩提心を起させる役割をもつ。
●また、衆生の代表として大日如来から説法を聞く立場と、法身大日の説法を衆生に伝える仲介の仏の立場を兼ねる。
●ここでは金剛薩捶は、一切如来たちの菩提心を体現する堅固な衆生(薩捶)であり、一切如来たちの悉地である金剛杵そのもの。
●十六大菩薩の一。
[読み] よくこんごうぼさつ
[梵名] イシュタヴァジュラ
[梵名表記] iṣṭavajra
●梵名イシュタ・ヴァジュラは、「愛欲の堅固なる者」の意。
●私たち衆生本有の愛欲は(真如・法如から言えば)もともと(本性)清浄であって、それを菩提心を以てサトリを求める堅固な智慧に転ずる菩薩。
●金剛薩埵の大楽の内証を表す眷属。
[読み] そくこんごうぼさつ
[梵名] ケーリキラヴァジュラ
[梵名表記] kelikilavajra
●梵名ケーリ・キラ・ヴァジュラは、「愛戯の歓びの堅固なる者」の意。
●私たち衆生が愛戯で触れ合う歓びも(真如・法如から言えば)もともと(本性)清浄であって、それを菩提心を以て五欲清浄の堅固な智慧に転ずる菩薩。
●金剛薩埵の大楽の内証を表す眷属。
[読み] あいこんごうぼさつ
[梵名] ラーガヴァジュラ
[梵名表記] rāgavajra
●梵名ラーガ・ヴァジュラは、「愛染・愛縛の堅固なる者」の意。
●私たち衆生本有の愛染・愛縛は(真如・法如から言えば)もともと(本性)清浄であって、それを菩提心を以て堅固な慈悲の智慧に転ずる菩薩。
●金剛薩埵の大楽の内証を表す眷属。
[読み] まんこんごうぼさつ
[梵名] マーナヴァジュラ
[梵名表記] mānavajra
●梵名マーナ・ヴァジュラは、「驕慢・高慢の堅固なる者」の意。
●私たち衆生本有の驕慢・高慢は(真如・法如から言えば)もともと(本性)清浄であって、それを菩提心を以て堅固な勇猛精進の智慧に転ずる菩薩。
●金剛薩埵の大楽の内証を表す眷属。
[読み] こんごうきぼさつ(こんごうげぼさつ)
[梵名] ヴァジュララースヤー
[梵名表記] vajralāsyā
●梵名ヴァジュラ・ラースヤーは、「堅固な遊戯・愛楽(をなす者)」「一切如来を歓喜によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が愛楽喜悦の三摩地に住し、阿閦如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の安楽と満足の三昧耶女として出現し、遊戯・愛楽の歓びをもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうまんぼさつ
[梵名] ヴァジュラマーラー
[梵名表記] vajramālā
●梵名ヴァジュラ・マーラーは、「堅固な華鬘・宝鬘(をもつ者)」「一切如来を宝鬘によって潅頂する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が荘厳の三摩地に住し、宝生如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の鬘の三昧耶女として出現し、宝鬘をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうかぼさつ
[梵名] ヴァジュラギーター
[梵名表記] vajragītā
●梵名ヴァジュラ・ギーターは、「堅固な歌詠・偈頌(をもつ者)」「一切如来を歌詠によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が妙音歌詠の三摩地に住し、阿弥陀如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の歌詠・偈頌の三昧耶女として出現し、歌詠・偈頌をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうぶぼさつ
[梵名] ヴァジュラヌリトヤー
[梵名表記] vajranṛtyā
●梵名ヴァジュラ・ヌリトヤーは、「堅固な舞踊・技芸(をもつ者)」「一切如来を舞踊によって供養する(三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●毘盧遮那如来が荘厳の三摩地に住し、不空成就如来を供養するために出生した菩薩。
●一切如来の供養活動の三昧耶女として出現し、舞踊をもって供養を行う女尊。
●八供養菩薩のうち、内の四供養妃菩薩の一。
[読み] こんごうこうぼさつ
[梵名] ヴァジュラーンクシャ
[梵名表記] vajrāṅkuśa
●梵名ヴァジュラ・アンクシャは、「堅固な鉤(カギ)(をもつ者)」「(一切如来の三昧耶を)鉤引(する三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを鉤引し大曼荼羅に帰入させる引摂の三昧耶として出現し、堅固な菩提心を以て衆生を悪趣から引き出し、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうさくぼさつ
[梵名] ヴァジュラパーシャ
[梵名表記] vajrapāśa
●梵名ヴァジュラ・パーシャは、「堅固な羂策(をもつ者)」「(一切如来の三昧耶を)引入(せしめる三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅に引入する引摂の三昧耶として出現し、慈悲心を以て等しく衆生を大曼荼羅に導き入れる尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうさぼさつ
[梵名] ヴァジュラスポータ
[梵名表記] vajrasphoṭa
●梵名ヴァジュラ・スポータは、「堅固に破裂・発露する者」「(一切如来の三昧耶を)鎖(で縛る三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅のなかに結縛する引摂の三昧耶として出現し、衆生に菩提心を発露させ、仏道に固く留め、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。
[読み] こんごうれいぼさつ
[梵名] ヴァジュラーヴェーシャ
[梵名表記] vajrāveśa
●梵名ヴァジュラ・アーヴェーシャは、「堅固に召入する者」「(一切如来の三昧耶を)召入(する三昧耶から出現した)金剛(という三昧に住する菩薩)」の意。
●一切如来たちを曼荼羅へ召入する引摂の三昧耶として出現し、鈴の音がどこにでも響き渡るように、すべての衆生をサトリに召入し、大曼荼羅に導く尊。
●四門護(四摂)菩薩の一。