金剛界曼荼羅胎蔵曼荼羅
四印会 金剛界 一印会 金剛界 理趣会
成身会
三昧耶会
微細会
供養会
金剛界 金剛界 金剛界
供養会 成身会 降三世会
四印会
一印会
理趣会
降三世会
金剛界 金剛界 金剛界
微細会 三昧耶会 降三世三昧耶会
降三世三昧耶会

金剛界曼荼羅[こんごうかいまんだら]

この金剛界マンダラは、九つのグリッド枠から成っているので「九会(くえ)曼荼羅」ともいわれる。「九会」とは九つの仏尊の集会(しゅうえ、=集り)という意味である。
 中央に中心となる「成身会」があり、その下に「三昧耶会」、その左に「微細会」、その上(中央部の左)に「供養会」、その上に「四印会」、その右(中央部の上)に「一印会」、その右に「理趣会」、その下(中央部の右)に「降三世会」、その下に「降三世三昧耶会」という配置である。
 今の順序に従い「の」字のように「成身会」から「降三世三昧耶会」に向うベクトルを「向下門」あるいは「下転門」(従果向因、下化衆生、如来のサトリの世界から衆生済度に向かう道)といい、逆に「降三世三昧耶会」から「成身会」へ逆「の」の字のように向うベクトルを「向上門」あるいは「上転門」(従因向果)(上求菩提、衆生が如来のサトリを求めて修行する道)という。
 「向下門」(「下転門」)では、『(初会)金剛頂経』冒頭の「一切義成就菩薩」(=釈迦)が一切如来の驚覚により「五相成身観」を行じ、それに成就して(仏身円満)一切如来の代表としての毘盧遮那如来となり、四仏に囲まれて十六大菩薩を出生させる「成身会」と、それと内容を同じくする「三昧耶会」「微細会」「供養会」が、それぞれ「大(曼荼羅)」「三昧耶(曼荼羅)」「法(曼荼羅)」「羯磨(曼荼羅)」の「四種曼荼羅(各々不離)」の関係にあり、その不離の関係を「四印会」が表し、それは畢竟法身大日に帰することを「一印会」が表し、その法身大日が行う衆生化他を「理趣会」において正法輪身の菩薩群で表し、教化至難の者を導くために「降三世会」「降三世三昧耶会」を配している。
 「向上門」(「上転門」)では、衆生(行者)が「降三世三昧耶会」「降三世会」で本有の菩提心を発起して(発心)煩悩や迷妄の蓋障を断ち、「理趣会」において性愛も物欲も菩提心の発露において(本性)清浄であることを覚り、その上で「一印会」で「五相成身」の果徳である仏身円満→毘盧遮那如来の仏身を覚り、「四印会」で四仏の四智印を示し、「供養会」「微細会」「三昧耶会」を経て「成身会」の曼荼羅に入るのである。
 「成身会」「三昧耶会」「微細会」「供養会」「四印会」「一印会」「理趣会」が『(初会)金剛頂経』の金剛界品に、「降三世会」「降三世三昧耶会」が降三世品に拠っている。