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ア字本不生

「阿(字)」とは、サンスクリット・アルファベットの「a」、梵字の、漢字で「阿」。
すなわち、世界の言語に共通の原初母音の「a」、人間の発する言葉の最初にしてすべての言葉の基となる音。
空海は、「凡そ最初に口を開く音、みな阿の声あり、もし阿の声を離んぬれば則ち一切の言説なし。故に衆声の母となす。また衆字の根本となす」といい、さらに「阿字は是れ一切法教の本なり。乃至、内外の諸教みなこの字より出世す」と説く。
密教では、万物の根源としての意味の「ア」を人格化し、この「ア字」によって法仏(宇宙の真理をその体とし、自ら(真理)を自ら説く仏)としての大日如来を表象する。ただしこの場合、胎蔵界大日を表わす「ア」とは意味を異にする。
大日如来すなわち「ア字」は、万物の真実相である因縁所生、すなわち不生・不滅の「空」の真理の根源であるから「本不生」というのである。
密教の瞑想法で有名な「阿字観」は、この観法を行う者が「ア字」の一字に自らの本源を観じる行法である。

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